令和から始まった小学校の「35人学級」とは?メリット・デメリットを解説!

公開日:2023/02/15  最終更新日:2023/02/06

学級

小学校で35人学級がはじまっていることを知っていますか?もともと1クラス40人です。令和3年4月から1クラス35人学級がスタートしました。「5人減るとなにか変わる?」そんな意見も多く聞こえてきます。しかし、子どもの学習を向上させる取り組みとして期待されています。今回は35人学級についてとメリット・デメリットについて解説します。

35人学級って何?いつから始まっているのか

35人学級が始まったのは令和3年4月1日です。国会で公立義務教育諸学校の学級編制および教職員定数の標準に関する法律が改正されたことにより、学級の段階的変更がはじまりました。実に昭和55年以降、40年ぶりの変更ということで注目されています。

以前までの法律では小学校1年生35人、2年生~6年生までは40人が上限でした。今後は5年間を目処に、段階的にすべての学年を35人に統一する取り組みが行われます。

令和3年に2年生、令和4年に3年生、令和5年に4年生、令和6年に5年生、令和7年に6年生、とこのように令和7年までに学級標準が引き下がるような仕組みです。

35人学級は、すべての子どもたちの多様性を広げるための試みであり、Society5.0時代の到来を見込んだ取り組みであるとされています。Society5.0時代とは、2016年に政府が定めた新しい社会のあり方です。いわゆる仮想空間と現実空間を融合させたシステムを導入することで、経済の発展と社会問題の解決を目的としています。

35人学級はなぜ推進されているのか

そもそもなぜ35人学級が推進されているのでしょうか。推進されている理由は、上記でも解説しているSociety5.0時代が深く関わっているのです。

少人数学級とICTを活用した授業GIGAスクール構想を合わせた新時代の学びと、個別最適な学び、協同的な学びを趣旨としています。簡単にいうと、少人数にすることで学習をより効果的に学べ、1人1台タブレットやパソコンを利用して工夫しながら学習しましょうということです。

誰一人取り残すことなく、子どもの可能性を高めるために施行されました。また、コロナ禍の三密を回避するためにコロナが追い風になったともいわれています。

35人学級のメリット・デメリット

令和4年1月から施行された35人学級ですが、さまざまなメリットとデメリットがあります。生徒や先生にとって重要な点や、避けては通れない問題点があります。一つずつ見ていきましょう。

メリット

メリットでは生徒の勉学に対する姿勢が見直されたり、学校特有の問題を解決できたりする場合があります。

学習意欲の向上

35人学級にすることで、一人ひとりの学ぶ姿勢が向上すると考えられています。なぜならば人数を減らして授業を受けることで、1人あたりにかける時間が長くなるからです。

先生は1人の生徒にずっとつきながら授業をするわけにはいきませんが、生徒の数を減らすことで1人あたりの時間は増加します。勉強ができる、できないで差が開いたとしても35人学級であれば以前より対応できるでしょう。

生徒の可能性を高めるための学習方法は人それぞれです。勉強ができる子、勉強が不得意な子とさまざまです。誰一人取り残さない学習方針にし、一人ひとりにあった学習方法を提示することで、学習意欲の向上につながります。

いじめ、不登校への対応力の向上

学校でのいじめは不登校につながります。クラスの人数が多い場合、いじめられている生徒の早期発見が難しい場面も見られます。しかし35人と上限を設定すると、いじめの早期発見もしやすくなり、いじめの対処が可能です。

いじめや不登校は学校特有の問題であり、いずれ社会に出る子どもの人生を左右しかねません。1クラスあたりの人数が多いと5人減っただけで何が変わるのかと思うかもしれません。

しかし、生徒1人に対して先生の人数が限られているなか、35人の上限があれば先生の負担も軽くなります。先生の負担が軽くなれば、生徒の悩みが聞きやすくなります。1クラスあたりの人数が少なければ、学校側や先生のサポートがより期待できるでしょう。

デメリット

35人学級のメリットでは学習意欲の向上、いじめや不登校の対応力の向上がありました。ほかにも生徒一人ひとりの様子を敏感に感じ取れたり、気持ちの変化に柔軟に対応できたりするでしょう。反対にデメリットはなんでしょうか。

教員の質、設備等の不足

もともとクラスの上限は1年生が35人、2年生~6年生が40人でした。40人クラスを35人にすると、5人あまります。このような場合、生徒が多い学校ではクラスを増やすしかなくなります。

クラスを増やす場合、教室の確保、設備や備品の準備が必要不可欠です。すべての学校で準備が容易に進むとは考えられません。令和7年までに全学年で35人学級が開始されます。

学校により人数は異なりますが、マンモス校で35人上限は設備以上に教員の数が足りない恐れがでてきます。また教員の数や、教員の質も今後の課題といえるでしょう。

教室の数が増加すれば、教員の数も増えていきます。しかし教員の数がそもそも足りていないこともあり、難しいという意見も聞こえます。教員が足りないと教員の質も低下するため、対応が迫られてくるでしょう。

まとめ

今回は、35人学級についてとメリット・デメリットについて解説しました。35人学級は、一人ひとりに合った学習方法が見込め、タブレットやパソコンを利用した工夫を施し子どもの可能性を引き出そうとする取り組みでした。メリットでは学習意欲の向上、いじめや不登校の対応力の向上があり、デメリットでは教員の質や設備の不足があります。そもそも教員の数が足りていないこともあり、教員の質の低下が懸念されています。このような問題を解決するために、ICTの活用がとくに大切になるでしょう。コロナ禍においてオンラインのつながりの重要性も増えているため、学び方も大きく変わってきそうですね。

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